【6月23日 AFP】(一部更新、写真追加)22日午後5時2分(日本時間23日午前6時2分)ごろ、米ワシントンD.C.(Washington D.C.)の地下鉄ワシントン・メトロ(Washington Metro)の路線「レッドライン(Red Line)」で帰宅ラッシュで大勢の乗客を乗せた列車同士が衝突する事故が発生し、少なくとも9人が死亡、76人が負傷した。

 事故が起きたのはフォート・トッテン(Fort Totten)駅とタコマパーク(Takoma Park)駅の間の地上区間。追突された列車の最後尾の車両はアコーディオンのようにつぶれ、その上に追突した列車が乗り上げた。下になった列車には多数の乗客が閉じ込められ、救助隊員数百人が混乱した事故現場で救出活動を行った。

 ワシントンのエイドリアン・フェンティ(Mayor Adria)市長は「ワシントン・メトロの(33年の)歴史のなかで最悪の事故」と語り、死傷者はさらに増えるおそれがあると述べた。

 地下鉄を運営するワシントン首都圏交通局(Washington Metropolitan Area Transit AuthorityWMATA)の幹部職員によると、他の列車が停まったため停車して通過する許可を待っていた列車に、もう一方の列車が後ろから接近してそのまま追突したという。追突した列車の女性運転士は死亡した。

 米国家運輸安全委員会(National Transportation Safety BoardNTSB)は現場に担当官を派遣して原因の調査を開始した。バラク・オバマ(Barack Obama)大統領は、事故の知らせに驚き、事故に遭った人とその家族のために祈るという談話を発表した。

 ワシントン・メトロにはワシントンD.C.から隣接するメリーランド(Maryland )州とバージニア(Virginia)州に延びる5つの路線があり、1日に約80万人が利用している。ホワイトハウス(White House)職員を含む数千人の公務員がこの路線を通勤に利用している。(c)AFP