【12月5日 AFP】(一部更新)ニュージーランド警察は、同国最高峰のマウントクック山(Mount Cook、3754メートル)の山頂付近で天候不良のため6日前から下山できなくなっていた日本人登山客、奈良秀明(Hideaki Nara)さん(51、東京都出身)を、5日朝にヘリコプターで救出したと発表した。奈良さんと一緒だった山岳ガイドの池之内潔(Kiyoshi Ikenouchi)さん(49、同)は、死亡が確認された。

 警察によると、奈良さんは顔に凍傷を負っているものの健康状態は「非常に良好」で、救出された際もヘリコプターまで歩いて行くことができたという。一方の池之内さんの死亡推定時刻は、奈良さんが救出される数時間前の5日早朝とみられる。

 2人はクック山の山頂付近で嵐に遭い、前週末からテントの中で過ごしていたが、4日夜にテントが雪でつぶされ、野外で身を寄せ合って過ごした。山頂付近の気温はマイナス20度近いという。警察幹部の話によれば、2人は4日夜までは一緒にいたが、日没から約3時間後には連絡が途絶えていた。

 ヘリコプターによる救助が何度も試みられていたが、強風のため断念せざるをえなかった。3日には、食糧や装備を詰めたバッグをテントのそばに投下したものの、2人は気づかなかったようだという。

 クック山では、池之内さんも含め、7人の日本人が死亡している。(c)AFP