【10月16日 AFP】オーストラリアで休日を楽しんでいた男性を食べたとみられている巨大なワニが、繁殖プログラムの養殖場に送られることになった。クイーンズランド(Queensland)州当局が16日、発表した。

 同州北部で前月、夫婦で休暇中に行方不明となっていたアーサー・ブッカー(Arthur Booker)さん(62)とみられる遺体の一部が、周辺で捕獲された体長4.5メートルのワニの胃から発見された。

 しかし、同州の環境保護局の広報官によると、このワニはその大きさから保護の対象となり処分することができないという。しかし人間を襲った可能性があるため野生に放すこともできず、同州法により動物園や野生動物施設で展示することもできないため、最終的に残った選択肢が繁殖プログラムに送ることだった。

 国営ラジオのインタビューでMichael Devery広報官は「4メートル以上のワニは、保護計画でいう『象徴的なワニ』に当たるため、ワニの保護に貢献するような対策を取ることになる」と語った。

 襲われたとみられるブッカーさんは同州クックタウン(Cooktown)近郊で、9月30日に川に仕掛けたクラブポット(カニをとる仕掛け)を引き揚げに行ったまま行方不明となった。地域一帯は通称「ワニの岬」と呼ばれている場所だった。(c)AFP