【8月4日 AFP】(写真追加)エベレスト(Mount Everest)に次ぐ世界第2の高峰K2(8611メートル)の山頂付近で1日、巨大な氷の塊が崩れ落ち、少なくとも登山家9人が死亡、複数が行方不明になっている。パキスタンのツアー・オペレーターが3日、明らかにした。

 パキスタンの著名登山家でツアー・オペレーター「ナジール・サビル・エクスペディション(Nazir Sabir Expeditions)」の責任者、ナジール・サビル(Nazir Sabir)氏によると、死亡したのは韓国人3人、ネパール人2人、オランダ人、セルビア人、ノルウェー人、パキスタン人が各1人。また、フランス、パキスタン、オーストリアの登山家が行方不明になっているという。同氏によれば、12人が死亡した1986年以降最悪の事故だという。

 別の登山隊を手配したパキスタンのツアー・オペレーター「アドベンチャー・ファンデーション・パキスタン(Adventure Foundation Pakistan)」のMohammad Akram副社長は、同社が手配した登山隊が1日、下山の途中に崩落した氷に巻き込まれ、隊員の一部が行方不明になったことを明らかにした。事故は「ボトルネック(Bottleneck)」という名前で知られる場所で発生したとみられ、別の旅行会社のオーナーによれば韓国人とネパール人はここで死亡したという。

 現時点では情報が錯綜(さくそう)しており、遭難者の正確な人数は明らかになっていない。スペインのメディアは、メンバー18人の登山隊のブログを引用して11人が死亡した恐れがあると伝えている。

 パキスタンと中国の国境付近にそびえるK2があるカラコルム(Karakorum)山脈は天候の変化が激しく、8000メートル級の山岳の中でも特に登頂が難しいことで知られる。K2登山中の死亡率は27%で、エベレストの3倍に上る。(c)AFP