【7月28日 AFP】飛行中の豪カンタス航空(Qantas Airways)ボーイング(Boeing)747型機の胴体部に穴が開き緊急着陸した事故で、豪運輸安全局(Australian Transport Safety BureauATSB)は28日、旅客機に搭載されている緊急用の酸素シリンダーが飛行中に爆発した事例はこれまでないと述べた。

 同機は25日、香港(Hong Kong)経由でオーストラリアのメルボルン(Melbourne)への飛行中、機体に直径3メートルの穴が開き、フィリピンのマニラ(Manila)空港に緊急着陸。その後の調査で、穴が開いた右翼下部付近に設置されていた酸素ボンベが欠落しているのが発見されたため、カンタス航空はすべての同型機について、酸素シリンダーの緊急点検を実施している。

 オーストラリア民間航空安全局(Civil Aviation Safety Authority AustraliaCASA)のピーター・ギブソン(Peter Gibson)報道担当は、「われわれが判断できる限りでは、これまで旅客機で酸素シリンダーが爆発した例はない。前例のない事故であり、再発防止のため原因究明が急務であることは明白だ」と述べた。

 豪運輸安全局は、緊急用酸素シリンダーの金属疲労や制御弁の不良、シリンダーに何らかの物体が衝突したなどの理由で爆発した可能性もあるとして、調査を進めている。(c)AFP