【7月27日 AFP】豪カンタス航空(Qantas Airways)ボーイング(Boeing)747型機が飛行中、機体に直径3メートルの穴が開き、緊急着陸した事故で、調査を行っている豪運輸安全局(Australian Transport Safety BureauATSB)は27日、同機の酸素シリンダーが欠落していることが明らかになったと発表した。

 同機が緊急着陸したフィリピンのマニラ(Manila)に入り、事故原因を調査中の運輸安全局のネビル・ブライス(Neville Blyth)氏は、会見で「シリンダーのうち、緊急時の酸素を供給するものが欠落している。ただし、これが爆発の原因だと断定することはまだできない」と語った。

 調査チームではテロ攻撃の可能性は除外したという。ネビル氏は、初期調査は2-3日で終了するが、仮報告の発表には「2-3か月かかるだろう」と述べた。

 また、オーストラリア民間航空安全局(Civil Aviation Safety Authority Australia)のピーター・ギブソン(Peter Gibson)報道担当はAFPに対し、「穴が空いた場所に、ちょうど(シリンダーが2つ)あった」と述べ、「その個所を重点的に調査している」と述べた。「事故原因として断定はできないが、穴が空いた場所には2基の酸素ボンベがあった。また損壊は機体の外側へ向かって起こっていた。そこで、この点を重点的に調査中だ」。

 ギブソン報道官によると、酸素シリンダーは、緊急時に操縦室へ酸素を供給するためのもの。もし、この酸素シリンダーが事故原因であることが確認された場合、カンタス航空のボーイング747型全機のみならず、世界の多数の同機種に関与する事態になりうるだろうと述べた。

 一方、ギブソン氏は、腐食が原因との報道について、数か月前の定期検査で小さな腐食が発見されたのはまったく別の場所だったとし、今回の事故との関連性を否定した。

 同機は25日、香港(Hong Kong)からオーストラリアのメルボルン(Melbourne)へ向かい乗員乗客365人を乗せて飛行中、高度6000メートル付近で爆発音が起こった後、機内の気圧が急激に降下し、緊急着陸した。(c)AFP/Mynardo Macaraig