【6月9日 AFP】(一部更新)インドネシアでダイビング中に遭難し、約2日後に孤島に避難しているところを救出されたスウェーデン人女性が8日、救助を待つ間に「コモドドラゴン」として知られるコモドオオトカゲの攻撃に対しいかにして応戦したかを語った。

 Helena Nevalainenさんは5日午後、英国人3人、フランス人1人とともにコモド国立公園(Komodo National Park)でダイビング中に強い潮流に巻き込まれ、9時間海を漂流した後、同日夜間に同公園のフロレス島(Flores Island)の西沖にある孤島リンチャ島(Rinca Island)にたどり着いたという。

 リンチャ島は世界最大のトカゲ、コモドオオトカゲの保護区で、Nevalainenさんらはここで31時間救出を待ったという。その間、3回にわたりコモドオオトカゲに襲われたNevalainenさんは、ダイビングベルトで応戦し、追い払ったという。

 Nevalainenさんはフロレス島のホテルで「(コモドオオトカゲは)巨大で、わたしの足に襲いかかろうとした。ダイビングベルトを投げつけたら一度はあきらめたようだったけど、また戻ってきた」と当時の状況を振り返り、「生きて帰れてうれしい」と安堵の表情を浮かべながら語った。

 Nevalainenさんらダイバーたちは、脱水症状のみでほとんど無傷だったという。仏人のLaurent PinelさんはAFPに対し、救助されるまでの間、コモドドラゴンには岩などを投げつけ撃退し、海岸で見つけたムール貝などを食べて飢えをしのいでいたと当時の状況を語った。

 ダイバーらの捜索は航空機燃料などが不足していたために難航し、警察当局は地元の漁業関係者などに協力を求めたという。

 コモドオオトカゲは全長3メートル、体重70キロを超える大きさまで成長する。一般的に攻撃的とはみなされていないが、食欲が旺盛で、強力なあごを持ち、だ液に毒素や毒性バクテリアを持っている。専門家によると、このだ液に含まれているバクテリアと毒素のため、コモドオオトカゲの歯で傷つけられると、かすり傷でも致命傷となる可能性があるという。(c)AFP