【4月27日 AFP】チェルノブイリ(Chernobyl)原発事故から22年目の26日、ウクライナの首都キエフ(Kiev)で追悼式典が行われた。

 式典にはビクトル・ユーシェンコ(Viktor Yushchenko)大統領はじめ閣僚を含め約100人が出席、慰霊碑に花を捧げろうそくをともして犠牲者を悼んだ。

 事故現場から50キロにあるスラヴティッチ(Slavutich)町では、徹夜の集会が開かれた。

 保健省は声明で「チェルノブイリの事故は世界的な大惨事となった。今も人々の健康や環境に影響を及ぼし続けている」と述べた。

 1986年4月26日、チェルノブイリ原発4号機の原子炉が爆発し、当時ソ連領だったウクライナ、ベラルーシ、ロシアを中心に欧州のほぼ全域が放射能で汚染された。史上最悪の原発事故となった。またウクライナ政府の統計によるとこの事故処理に当たったウクライナやロシア、ベラルーシからの「解体業者」と呼ばれる作業員2万5000人以上が死亡した。2005年9月に発表された国連(UN)の統計では犠牲者は4000人とされているが、この数字については複数のNGO(非政府組織)から疑問の声が上がっている。

 ウクライナだけで230万人が「後遺症に苦しんで」おり、事故当時子どもや若者だった約4400人が被ばく者に典型的な甲状腺がんの手術を受けている。

 チェルノブイリ原発は2000年12月になってようやく完全閉鎖された。4号機からの放射能漏れを遮へいするための「石棺」と呼ばれるコンクリート製の建造物が老朽化したため、この10月にも全長200メートル、幅190メートルの鋼鉄製の新石棺が着工する。完成は2012年の予定。(c)AFP/Oksana Grytsenko