【8月15日 AFP】国際オリンピック委員会(International Olympic CommitteeIOC)のジゼル・デービス(Giselle Davies)広報官は15日、北京五輪射撃・男子50メートルピストルで銀メダル、男子10メートル・エアピストルで銅メダルを獲得した北朝鮮のキム・ジョンス(Kim Jong Su)がドーピング違反を犯したと発表した。

 デービス広報官は、キム・ジョンスのドーピング検査でβ(ベータ)遮断薬の陽性反応を示したことを明らかにし、さらに女子体操個人予選に出場したド・ティ・ガン・トゥオン(Do Thi Ngan Thuong)も利尿剤フロセマイドの陽性反応を示したと発表している。

 50メートルピストルでは3位だった中国の譚宗亮(Tan Zongliang、タン・ゾンリャン)が銀メダル、4位だったウラジーミル・イサコフ(Vladimir Isakov)が銅メダルに、10メートル・エアピストルでは4位だった米国のジェイソン・ターナー(Jason Turner)が銅メダルに繰り上がると発表したデービス広報官は「彼(キム)は陽性反応を検出されたため、メダルと賞状は取り消しとなります。IOCは国際射撃連盟(International Shooting Sport FederationISSF)に対し、結果の修正要請をしています」と語っている。

 IOCの医事委員長を務めるアルネ・リュンクビスト(Arne Ljungqvist)氏は「このβ遮断薬は、優れたコントロールが必要とされる射撃やアーチェリーのようなスポーツに限り禁止されている薬剤です。ですので、唯一表現できることは(薬物摂取が)計画的であるということです」とし、キムが意図的に薬物を摂取したことに疑いはないとしている。

 またリュンクビスト氏はトゥオンの件については寛大で「これはおそらく、何を取ることになるかが確かではない若い選手の、少ない情報の結果」と語り、トゥオンが不十分なアドバイスを受けていたと考えている。(c)AFP/Julian Guyer