【8月20日】北京五輪開催中に当局が市民の抗議行動を許可している地区で抗議活動を行おうと申請した高齢女性2人に対し、「労働による再教育」として懲役1年が言い渡された。女性の親族が20日、明らかにした。

 懲役を命じられたのは、呉殿元(Wu Dianyuan、79)被告と王秀英(Wang Xiuying、77)被告。呉被告の息子であるLi Xuehuiさんによると、10時間にわたる尋問を受けた後、刑罰を言い渡されたという。五輪開催中の抗議行動に対する中国政府の強硬な態度が再度あらわになった形だ。息子のLiさんは「法の精神に反している。法的手段で対抗していく」とAFPに訴えた。

 2人は2001年に北京の自宅から強制退去させられたことに対し、賠償金を求め、抗議していた。Liさんによると、2人は当局に五輪開催中の行動許可を5回申請した。警察の命によって直ちに拘束されたが、さらに「問題」を起こす場合は強制労働所に送ると言われたという。

 AFPでは20日、中国公安省に取材を申し込んだが、当局はこの件に関する情報はないと回答し、ファックスで取材依頼の詳細を送信するよう要請してきた。(c)AFP/Charles Whelan