【8月12日 AFP】北京五輪開会式のテレビ放映で、当日の市内の視界が悪かったことから、事前準備されていたCG合成画像がライブ映像に組み込まれていたことが明らかになった。北京五輪組織委員会(Beijing Olympic Organizing Committee)が12日、認めた。

 同委員会の王偉(Wang Wei)執行副会長によると、8日の開会式での足跡を模した巨大な花火「歴史の足跡」のテレビ放映分の一部は、事前に用意された画像だった。しかし、この「足跡」の花火自体は当日実際に打ち上げられ、また開会式のほかのテレビ映像は本物だったと強調した。王氏は「事前録画したもの」と述べただけで、それ以上の詳述は避けた。

 実際の花火も、天安門広場(Tiananmen Square)を出発し、29歩目に市内北部の五輪メーン会場に到達した。しかし「当日夜の視界が悪かったため、事前に準備した映像を使用することになったのかもしれない」と王副会長は報道陣に述べた。

 京華時報(Beijing Times)の報道によるとTV放映は、足跡型花火のCG画像を製作した制作会社に多額で任されたという。同紙の引用した談話で開会式の視覚効果チームの責任者Gao Xiaolong氏は、ヘリコプターからの空撮と同様の揺れや、本物らしい「もや」を得るためなどにも、この制作会社がCG効果を使用したと語った。「ほとんどの視聴者がライブ映像だと思った。使命は達成されたということだ」(c)AFP