【8月8日 AFP】国際オリンピック委員会(International Olympic CommitteeIOC) のジャック・ロゲ(Jacques Rogge)会長は7日、中国政府による大気汚染対策について、「並外れた」努力と称賛した。しかし、開会式前夜となった北京(Beijing)市内では、普段と変わらずスモッグが広がっている。

 大気汚染問題は、北京五輪参加選手ら1万500人にとって最大の関心事の1つ。ロゲ会長も前年、大気汚染があまりにひどい場合には持久力が必要な競技について延期する可能性もあると述べ、選手らの不安をかき立てるのに一役買っていた。

 しかし、開会式まであと24時間という時点で会見したロゲ会長は、「中国政府当局はできる限りのことを全てやった」と述べ、中国政府の大気汚染対策に対して太鼓判を押した。

 7日の北京市内では、「鳥の巣(Bird's Nest)」の愛称を持つ北京五輪メーン会場「国家体育場(National Stadium)」が、数百メートル先からでもほぼ視認することはできなかった。これに対しロゲ会長は、視界不良が直ちに大気汚染度の高さを示していると早とちりしてはならないとして、汚染対策の成果に懐疑的なメディアに注意した。

 また、選手の健康への危険性について、ロゲ会長は、1時間以内の競技に参加する選手であれば「危険は絶対にない」とした。一方で、1時間以上の競技については、「72時間天気予報」を見て延期するかどうかを判断するとのみ説明した。
 
 北京五輪組織委員会(Beijing Organizing Committee for the 2008 Olympic GamesBOCOG)の広報担当、孫偉徳(Sun Weide)氏も7日、北京市内の大気汚染度は許容できる範囲内にあると述べた。(c)AFP/Karl Malakunas