【8月6日 AFP】中国警察当局は6日、北京五輪のメーンスタジアムとなる国家体育場(National Stadium)付近で、巨大な「チベット解放」と書かれた横断幕を掲げた外国人4人を拘束した。国営新華社(Xinhua)通信が報じた。

 国際組織「スチューデンツ・フォー・ア・フリーチベット(Students for a Free TibetSFT)」は、英国および米国の活動家4人が、鳥の巣(Bird's Nest)の愛称を持つ国家体育場付近で、チベット旗と約13平方メートルの横断幕2枚を掲げることができたと発表した。

 同組織は、選手村を背景に横断幕を電柱に結びつける活動家の写真を公表した。

 SFTによると、英語で「One World, One Dream: Free Tibet(1つの世界、1つの夢:チベット解放)」と書かれた横断幕は、約1時間後に警察官によって撤去されたという。

 SFTのTenzin Dorjee副代表は、「五輪開幕の数日前に、世界の目が中国に向いているので、われわれは世界にチベットでは数百万人の人々が人権と自由を求めて声を上げていることを忘れないようアピールしたかった」と語った。

 新華社通信によると外国人活動家4人はこのデモ行為の数分後に拘束された。4人は旅行者ビザで入国したという。

 中国当局はテロ攻撃の脅威に備えて北京市北部郊外にある選手村付近の治安対策を強化するとしているが、これらの措置は抗議活動を阻止するためとの批判もある。

 さまざまな人権問題で中国に圧力を掛けようとする人権団体などは、それらの原因について喚起を促すため五輪を利用すると表明している。

 選手村付近で目立った抗議活動が行われたのは今回が初めてだった。(c)AFP