【7月16日 AFP】(一部訂正)中国・山東(Shandong)省青島(Qingdao)にある北京五輪セーリング競技の会場で藻類が大量発生していた問題で、同国の国営新華社通信(Xinhua)は15日、藻類がすべて除去されたと報じた。除去された藻類は100万トン以上に上るという。

 当局は藻類の除去期限を15日までと定め、兵士とボランティア1万人、漁船など数百隻を動員する大規模な除去作戦を展開した。

 同通信によると、1か月におよぶ除去作業の結果、一時は会場の約3分の1を占めていた藻類も一掃された上に、藻類がこれ以上流入しないように2つのフェンスが設けられた。フェンスの長さは、22キロと20キロだという。

 中国のセーリング競技関係者は「20日以上にわたって行われるセーリング競技が、藻類に悩まされることはない」と強調した。

 藻の大量発生は、北京五輪組織委員会(Beijing Organizing Committee for the 2008 Olympic GamesBOCOG)も予期しなかった問題で、選手たちの練習も満足に行えない上に、中国の深刻な環境問題について国際社会に醜態をさらすことになった。

 山東省の姜大明(Jiang Daming)省長は「会場周辺には船舶を配置して、藻類に対する監視を行っていく」と語っているという。

 環境保護活動家らは、藻類の発生原因は汚水や農業廃水だと指摘している。だが政府関係者は、降雨量の多さと気温の高さが原因だとして汚染との関連性には否定的だ。

 一方、15日の新華社通信では、周辺の港や海辺に広がった藻類も同様に除去されたかどうかについては言及されていない。(c)AFP