【ニューヨーク/米国 16日 AFP】 国連安全保障理事会(UN Security Council)は15日、北朝鮮によるミサイル発射実験を非難する決議を、中国およびロシアを含む全15か国の賛成により、全会一致で採択した。北朝鮮は採決の直後にこれを拒否し、今後もミサイル発射を続けると宣言した。
北朝鮮に弾道ミサイル実験の即時中止を要求し、加盟国にミサイル技術の移転・調達の阻止に必要な措置を求める決議に対し、北朝鮮の朴吉淵(Pak Gil Yon)国連大使は「暴力団の行為のようだ」とした。朴大使は、「この決議を全面的に拒否する」と採択の直後に述べ、抑止力の増強のために今後もミサイル実験を継続するとした。また、この決議を実行に移す国があれば、北朝鮮は「さらに強い物理的な行動」をとらざるを得ないと警告した。
これに対し米国のジョン・ボルトン(John Bolton)国連大使は、「今日は歴史的な日となった」と述べ、「1695番決議を全会一致で採択しただけでなく、北朝鮮が採択のわずか45分後に拒否したという新記録を樹立した」と皮肉を込めてコメントした。
中国の拒否権行使を阻止するため、米国を含む共同提案国は、北朝鮮が決議に従わない場合に軍事的措置も可能にする国連憲章第7章を決議案から削除することを余儀なくされた。ボルトン大使は、決議が北朝鮮に「絶対的かつ明確で一致したメッセージ」を送らなければならないとし、これよりも弱い文面での妥協を拒否した。
ボルトン大使は、北朝鮮が即時かつ無条件で決議に従うべきであると強調すると同時に、安保理のメンバーに対しては同国が決議に準じなかった場合に備える必要があると注意を喚起した。同大使は、決議に違反した場合について、米国と他の理事国は「更なる行動」のためにいつでも理事会を開くことが重要だと述べた。
厳しすぎる決議は北朝鮮を追い詰め、周辺地域を不安定にすると中国とロシアが主張する中、11日間の集中協議の末、全会一致の採択をみた。中国の王光亜(Wang Guangya)国連大使は、「朝鮮半島をさらに緊迫化させるいかなる行為にも反対する」と述べ、すべての関係諸国が「冷静に対処」するよう望むとした。北朝鮮の主要な支援国である中国は週の前半に高官を同国に派遣したが、決議を回避できるような譲歩を引き出すことはできなかった。
北朝鮮は7月5日、米国が射程圏内に入るとされるテポドン2号(Tepodong 2)を含む7発のミサイルを発射し、国際社会を挑発した。同国の長距離ミサイル実験としては1998年にも、日本を越えて太平洋に落下したテポドン1号(Tepodong 1)がある。
今回の決議案の草案を提示した日本は、全会一致での決議採択を歓迎した。麻生太郎外相はサンクトペテルブルク(Sankt Peterburg)で開催された主要8か国(G8)首脳会議で、「日本は北朝鮮が決議に応じることを強く求める」との声明を発表した。
決議では、北朝鮮にミサイル発射凍結を要求するとともに、すべての加盟国に対しミサイルおよび北朝鮮がミサイルと大量破壊兵器の開発に転用するおそれのある関連物資や技術の移転を阻止するよう求めている。ボルトン大使は、米国は他のすべての加盟国が「即時これに従う」ことを期待すると強調した。
また決議は、北朝鮮が「緊張を増大させる」ようないかなる行動も自制し、経済支援の見返りに核開発計画を放棄して6か国協議に復帰することも求めている。
北朝鮮は2005年11月以降6か国協議を拒否し、米国との2国間協議を要求していた。政治評論家の中には、ミサイル実験が今後の米国との交渉において切り札として使おうとしたのではないかとの見方もある。
写真は1992年に平壌で行われた北朝鮮人民軍60周年を記念する軍事パレードの模様。(c)AFP