【ワシントンD.C./米国 9日 AFP】米財務省が米系金融機関に取引を禁止したマカオの銀行、バンコ・デルタ・アジア(Banco Delta Asia、BDA)に対し、米政府自身が北朝鮮関連の不正取引の取り扱いを継続するよう働きかけていた、とするBDAの申し立てについて、同政府は調査に乗り出すことになった。
米高官が明らかにしたところでは、BDAを傘下に置くデルタ・アジア・フィナンシャルグループ(Delta Asia Financial Group)の区宗傑(英名スタンレー・アウ、Stanley Au)会長が9日、取引禁止を命じた米財務省に対して正式抗議した文書の中で、北朝鮮が同行に大量の偽造米ドル紙幣を預け入れていることを、1994年の時点で同行は米当局に報告していた、と発表した。
北朝鮮の核問題をめぐる6か国会議では2月、BDAの口座に凍結されている北朝鮮関連資金の凍結解除を条件に、北朝鮮・寧辺(ニョンビョン、Yongbyon)の核施設の停止・封印など「初期段階措置」の履行が合意された。しかし、凍結資金の移管問題が解決せず、初期段階履行も遅れている。
区会長の抗議によると、同会長自身が94年に米政府高官らと会見した際、北朝鮮関連の取引停止を申し出たものの、米高官らから取引を継続するよう説得されたという。「彼らから、北朝鮮との取引を継続してほしいと言われた。米国に協力的でない他の金融機関が(北朝鮮との)取引を行うよりは、我々が行っていた方が良いということだった」
米国務省のショーン・マコーマック(Sean McCormack)報道官の発表によると、区会長は米系金融機関とBDAとの取引を禁止する米財務省の決定に対し、同省へ正式に宛てた抗議文書の中で、米政府の関与を申し立てた。
マコーマック報道官は「(区会長の抗議)文書については、財務省幹部が今後、また検討が必要な度に、適正な方法と手順で検討するだろう」と述べたが、詳細には触れなかった。
米財務省は2005年9月、BDAの口座を通じた北朝鮮のマネーロンダリングなど不正金融行為に対し、同行が「自発的に」関与しているとし、BDAを取引禁止対象リストに掲載するとともに、米系金融機関に同行との取引禁止を通達、ドル建取引を封じることでBDAを事実上、国際金融システムから締め出す決定を下した。
米財務省の指摘を受け、マカオ当局が同年、BDAの問題の口座にあった北朝鮮関連資金約2400万ドル(約28億円)を凍結したところ、北朝鮮側が反発し、同国の核問題をめぐる6か国協議が1年以上中断していた。
写真はマカオにあるバンコ・デルタ・アジア本店(4月27日撮影)(c)AFP/MIKE CLARKE
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