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ヤシ油、環境破壊の元凶転じて救世主? - マレーシア

  • 2007年02月12日 20:21 発信地:マレーシア
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写真はセパング(Sepang)のアブラヤシのプランテーション(2007年2月7日撮影)。(c)AFP/TENGKU BAHAR

【クアラルンプール/マレーシア 12日 AFP】地球上で最も非難を浴びている植物といえば、アブラヤシだろう。熱帯雨林破壊からオランウータンの消滅、アジア上空の大気汚染や労働者の搾取まで、マレーシアとインドネシアを中心に生育するヤシは、さまざまな問題の元凶とされている。

 しかし、最近の原油価格高騰と健康への新たな関心が要因となり、「環境の救世主」としての新しい地位がヤシの木に与えられつつある。

■新たな燃料源やダイエット食品に

 化石燃料の代替えとなるバイオ燃料としては、再生可能な資源から抽出できることから「環境にやさしい」と、ヤシ油の生産量と価格が急増している。欧州各国では、化石燃料への依存を減らそうとする動きの中、バイオ燃料の需要が特に高まり、天然油であるヤシ油が重要な代替燃料として注目されている。

 また、加工食品に使用されることの多い悪玉トランス脂肪対策のための、新しいダイエット食品としても見直されている。ヤシ油は飽和脂肪酸が多く、悪玉コレステロールの原因として一時期、使用が避けられていた。しかし、飽和脂肪酸よりもトランス脂肪酸のほうが生活習慣病の原因となりやすいことが明らかになり、消費傾向が転換した。昨年の米国市場では、マレーシア産ヤシ油の輸入が前年比65%増となった。

 マレーシアは長年、世界最大のヤシ油輸出国だが、2006年の輸出高は2004年から5%増し、史上最高の90億5000万ドル(約11030億1400万円)に達した。インドネシアでもヤシ油産業が活況だ。バイオ燃料の原材料に対する需要にあわせてプランテーション地域を拡大しており、2008年までにマレーシアの輸出高を上回ることが目標だ。

■専門家は「環境破壊の深刻さ」を懸念

 こうしたヤシ油をめぐる新たなに動きに警戒する環境専門家もいる。人体への健康面や代替燃料としての有用性をかんがみても、アブラヤシの栽培面積激増による環境へのダメージのほうが深刻だと主張する。

 環境保護団体「地球の友(Friends of the Earth )マレーシア」のMeena Ramanさんは、「現地の人々に対し、生物種が多様な熱帯雨林の代わりに、単一栽培を促す大きなきっかけになってしまっている。ヤシ油はバイオ燃料としては、単に一時しのぎの処置でしかない」と語る。
「ヤシ油を賛美しているのは、市場価値の拡大で喜んでいる企業ばかり。環境保護の観点からいえば、彼らはすでに環境を破壊しすぎている。種の絶滅のほうがが深刻なことは明白だ」

「地球の友」は2005年、「Oil for Ape Scandal(類人猿にとって問題となる油)」と題した報告書の中で、インドネシア・スマトラ(Sumatra)島、およびマレーシアとの国境ボルネオ(Borneo)島で、オランウータンの生息環境を縮小しているとして、ヤシ油のボイコットを呼びかけた。

 写真はセパング(Sepang)のアブラヤシのプランテーション(2007年2月7日撮影)。(c)AFP/TENGKU BAHAR
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